宮野真守&北乃きいが歌う愛の悲劇。ミュージカル『ウエスト・サイド・スト ーリー』観劇レポート
(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
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もちろんダンスも見応え十分だ。『ウエスト・サイド・ストーリー』のトレードマークとも言える脚を高く上げるダンスや、ダンスパーティーでの対決など華やかな見せ場が続く中、第2幕のトニーとマリアが結ばれる「Somewhere」はまるでここだけ別の作品を観ているような不思議な世界観。豪華な舞台装置を排除し、群舞だけでふたりの愛を表現する。それは、霧の中に迷い込んだように幻想的で、そこはかとなく官能的。ふたりの心象風景を映し出したような演出が胸に残った。
そして、この恋物語の中で最もロマンティックなシーンと言えば、トニーとマリアが歌う「Tonight」だろう。ふたりを乗せた小さなバルコニーが前方にせり出したと思ったら、一気に夜空へと駆け上っていく。スクリーンに投影された映像を用いた舞台ならではのマジックだ。
胸の高鳴りを表したような疾走感溢れるデュエットが、観客に恋の魔法をかける。目の前に広がる夢の世界に、心ゆくまでうっとりしたい。
(c)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
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