2019年10月18日 12:00
映像も独占公開! 『ジョーカー』監督が語る“この作品で描きたかったテーマ”
本作の脚本と監督を手がけたフィリップスは「この作品で描きたかったテーマのひとつは共感ですが、それ以上に重要だったのが共感の“欠如”だった」と語る。
「アーサーを取り巻く環境はいたるところで共感に欠けているんです。作品を観ていただければわかりますが、大人と子供とではアーサーに対する反応が違う。子供は色眼鏡をかけていないから大人と違って、金持ちと貧乏人を区別しないし、弱い者を見定めることもない。子供の目から見たアーサーは、人を喜ばすのが好きな男でしかありません。つまり、人をありのままに受け入れることができないのは社会で学んだ結果なんです」
では、アーサーが“ジョーカー”になったのは社会が悪いのか?共感の溢れる社会になればアーサーは本当に救われるのか?アーサーを演じたホアキン・フェニックスは「アーサーはどのようにして人とコミュニケートしていいのかわからない人間だ。というのも、彼は暴力的ではないコミュニケーションの方法を学んだことがないからだ」と分析し、フィリップス監督は「我々は氷山の一角を話題にすることはあっても、氷山の下に何があるのかについてはほとんど考えません。街中でアーサーとすれ違っても、たとえ足を踏んでしまっても誰も気づかないでしょう。