2023年10月23日 12:00
この映画は特別なものになる。『SISU/シス 不死身の男』監督インタビュー
ここまで純粋な映画にできた理由は…
本作は、何があっても死なない老兵が次々と敵を倒していく“コンセプトありき”の映画に思えるが、実は勢いだけでなく、考え抜かれたアイデアがふんだんに盛り込まれている。
そもそも、通常のアクション映画は、主人公が早々に殺されてしまうことはない、とわかっていても、観客は“ここで失敗したら主人公は死んでしまう”と思いながら映画を観ている。だからドキドキする。しかし、本作の老兵アアタミは絶対に死なない。何があっても諦めない。折れない。愛する故郷が火の手に包まれていることに涙するが、悩んだりはしない。自信も喪失しない。
そんな暇があるなら敵を倒す。
つまり本作は、アクション映画が必ず装備している“安全装置”がない状態で映画が進んでいく。劇中では主人公が生き残れるか? のドキドキは使えない。全シーン、主人公が”どうやって敵を倒し、どうやって難局を突破するのか?”だけが問われることになる。
「アクション映画がたくさんある中で、本作が目立つためには戦闘やアクションシーンを他にはないものにする必要があった。うまく撮影できて本当によかったよ」
この映画ではフィンランドのラップランドという地方が舞台になっている。