『グラディエーターII』双子の皇帝は「つねにミステリー」フレッド・ヘッキンジャーが語る
あと、昔のヴォードヴィルなどの喜劇俳優の演技を少し参考にしている部分もあります」
とは言え、双子の皇帝の地位は盤石ではない。ローマ帝国に復讐を誓ったルシアスはグラディエーターとして帝国に乗り込み、彼を導く謎の男マクリヌスは、謀略によって皇帝を操ろうとしている。狂気の皇帝として帝国を支配しつつも、自分たちの足場が切り崩されていることに気づかない。双子の皇帝は本作の重要な役どころだ。
「1作目で描かれる権力争いはわかりやすいものだったと思います。誰が何の座を狙い、そのために誰に取り入ろうとしているのかすぐにわかりました。しかし、本作の場合は腐敗がローマ帝国の隅々まで浸透しているような状態なので、誰が何を狙い、何を目的にしているのかよくわからない状態になっているんです。その複雑さが本作の面白いところで、自分で演じておいてこんなことを言うのも何ですが、カラカラも本当は何を欲しがっていたのか、彼が何に執着していたのか、本当のところは誰にもわからないのです」
繰り返すが双子の皇帝は単なる狂った支配者ではない。
極悪非道で強欲だが、謎が残されている。壮大なスケールで描かれるアクション満載の熱いドラマを描く『グラディエーターII』に仕掛けられた”深淵な謎”が、ヘッキンジャーが演じたカラカラなのだ。