2023年5月15日 12:00
【おとなの映画ガイド】筒井真理子主演、キムラ緑子、木野花、江口のりこ、平岩紙、光石研、磯村勇斗、そして柄本明…、役者が神がかりで全員ぶっとんでいる!──荻上直子監督の『波紋』
(C)2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ
予告映像を観て期待したのに、なんだこりゃ、っていう映画は結構多い。でも、5月26日(金)に公開される『波紋』は逆。この面白さ、予告編だけでは伝わらない。それくらい、至るところにブラックユーモアや、微妙な人間の深層心理描写がちりばめられている。
宗教に走ってしまった主婦を筒井真理子が演じる。狂気を奥底に潜めるヒロインは、いかにも筒井にぴったり。監督は荻上直子。コワイはコワイ。
しかし、どんなシリアスなドラマでもどこかクスリとさせるユーモアがあるのが身上の荻上監督。それが筒井のコワイにぴたりとハマった。
それだけでなく、いろんな気づきもあたえてくれる。「絶望を、笑え」がキャッチフレーズ。今回はなんと、書いた監督自身が「自分史上最高」という脚本。掛け値なし、オススメの1本です。
『波紋』
依子(筒井真理子)は専業主婦。ガーデニングが趣味だった夫(光石研)が、突然に家出をしてから11年。
ずっと介護をしていた寝たきりの義父が他界し、ひとり息子(磯村勇斗)は遠い場所にある大学を出て、その地で就職をしてしまった。いまはひとり暮らしだ。スーパーでパート仕事。