東京バレエ団『くるみ割り人形』主演の生方隆之介インタビュー 「ブラッシュアップした王子を」と意欲
このグラン・パ・ド・ドゥは体力的に本当にきつい踊り。女性がひとりで踊るヴァリエーションは、古典バレエの中でもかなりハードな部類のものだと思いますし、終盤のコーダは女性も男性もほぼ踊り続ける。そんな中で消耗してしまったら、きっとお客さまに伝わってしまう。その世界観を壊さないよう、意識し続けて踊ることが大事だなと思います」。
東京バレエ団ならではの美しいコール・ド・バレエ(群舞)も見逃せない。
「ダンサーたちにとってすごくハードな振付である分、見応えがあります。バレエをあまりご覧になったことのない方も親しみやすい物語ですし、舞台装置や衣裳も色彩豊か。踊り以外の部分も存分に楽しんでいただける舞台なので、ぜひ、多くの方に楽しんでいただきたいと思います」
Photo:Koujiro Yoshikawa
東京バレエ団に入団して6年目。
ますますの活躍が期待される中で、ダンサーとしての今後の展望についても、さまざまに考える。
「いまの時代、バレエはテクニックや容姿が大事と思われがちですし、ともすると自分もそちらのほうに走ってしまいそうになる。でも、全幕を通して人を惹きつけることのできるダンサーの魅力はテクニックだけではないはずですし、友佳理さんもよく『心があるダンサーが一番魅力的』と言われます。