東京バレエ団『くるみ割り人形』主演の生方隆之介インタビュー 「ブラッシュアップした王子を」と意欲
「『白鳥の湖』では、全体を通して作品の中で“生きられた”と感じられて、舞台上で感動した場面もありました。周りの皆さんもすごく応援してくださって、それには少し、応えることができたかな、と思っています。王子役といってもそれぞれ、ですよね。『白鳥の湖』のジークフリートはいろいろと思い悩む人間らしい王子で、『眠れる森の美女』のデジレ王子はひたすらカッコいい。それに対して『くるみ』の王子は、主人公のマーシャを夢の世界へとエスコートしてゆく、ガイドのような存在だと捉えています」
Photo:Koujiro Yoshikawa
幕開けは、シュタールバウム家のクリスマスパーティー。華やかな宴ののち、皆が寝静まった夜中の広間で繰り広げられるのは、ねずみの王さまとの兵隊たちの戦いだ。マーシャに助けられたくるみ割り人形は、王子となって彼女を夢の世界へといざなう。
「友佳理さんは第1幕の、くるみ割り人形が王子となってマーシャの前に現れる“目覚め”のシーンを、とても大事にされていると感じます。
疎かにすることなく、厚みを失わないように演じられたら」
世界観を壊さないよう、意識し続けて踊ることが大事
東京バレエ団の『くるみ割り人形』は、マーシャと王子がクリスマスツリーの中を旅していくという演出が独特。