『三島喜美代―未来への記憶』練馬区立美術館で開幕 約1万個のレンガを敷き詰めた圧巻のインスタレーションも
1950年代から現代美術家としての活動を開始し、91歳となった現在も制作を続ける三島喜美代。彼女の70年にわたる活動を主要作品を通して概観する展覧会『三島喜美代―未来への記憶』が、5月19日(日) より練馬区立美術館で始まった。近年あらためて評価されている三島の魅力、そして実像に迫っていく。7月7日(日) までの開催となる。
1932年大阪府生まれの三島は、1950年代から絵画を出発点に創作活動を開始。画家で三島の夫となる三島茂司(1920〜1985)を通して先端の美術の動向に触れ、当初描いていた具象画から、抽象画、版画、陶など次第に作品の幅を広げていく。この展覧会は、近年国内外から改めて注目されている三島の70年にわたる創作の軌跡を改めて振り返るものだ。
展覧会は4章で構成。
第1章「初期作品」では、活動初期に描いていた具象画や60年代に制作したコラージュ作品を取り上げる。
三島喜美代《かぼちゃ》1952年 個人蔵
当初、具象画を描いていた三島は、具体美術協会の吉原治良に師事していた夫の茂司のアドバイスから、コラージュを使った作品を制作し始める。茂司が集めていた洋雑誌の切り抜きや、競馬の馬券、出走表などを使用したコラージュ作品は、のちの印刷物を陶に転写する作品を予感させる。