2022年7月6日 12:00
彼らはなぜ“無名の天才クライマー”に魅了されたのか?【映画『アルピニスト』監督インタビュー】
という姿勢を貫きながら、撮影技術はもちろんのこと、登攀(とうはん)を得意とする安全管理チームや、リガー(パラシュートなどの装着スタッフ)チームといった「知識と経験値の非常に高い世界屈指のスタッフ」とともに、安全性には細心の注意を払いながら撮影に挑んだ。
「私たちは常に撮影スタッフの安全を重視しているよ。たとえマークがどれだけ危険を冒していても、それは彼のリスク、そして彼の選択だ。私たちが同じリスクを背負ったりはしなかった」(モーティマー)
フリークライマーにとってクライミングとは“生を実感するもの”。監督にとって、そうしたクライマーの映画を撮ることはどんな行為なのだろう。“落下する瞬間を撮ってしまうかもしれない”といった不安はないのだろうか。
「そういう怖さや不安はある。その可能性を最小限にするために、私たちはできる限りのことをしているよ。
我々はマークを信頼していたし、彼の活動にマイナスの影響を与えるようなことはしないように心がけていた」(モーティマー)
「危険と背中合わせの偉業に挑戦するどのクライマーに対しても、とてつもない信頼を置いている。例えば、何かマズいと感じたら、安全第一で無理して撮影などはしなかった」