辻村深月×成井豊×岡田達也インタビュー『ぼくのメジャースプーン』舞台化に懸ける熱意

撮影:源賀津己
辻村深月の小説を原作に、成井豊が脚本・演出を手がけた舞台2作品を回替わりで上演する「辻村深月シアター」。そのラインアップのひとつである『ぼくのメジャースプーン』は2006年に刊行され、小学生の目線から“罪” と“罰”について描いた辻村作品初期の傑作ミステリーだ。舞台化にあたって、飼育小屋のウサギ殺しで同級生ふみちゃんの心を壊した医大生と対峙する主人公・小学4年生の「ぼく」役に、成井の脚本・演出作『エンジェルボール』(2018年)に出演した田中亨がキャスティング。「ぼく」と同じように、声で他人の心を操る能力を有する大学教授・秋山一樹役には演劇集団キャラメルボックスの岡田達也が名を連ねた。
「ぼく」と秋先生の個人授業がメインを占める本作では、必然的に二人の掛け合いが多くなる。稽古場の近辺で散歩がてらセリフを合わせる田中&岡田“師弟”の目撃談が寄せられるようになった4月末、原作者×脚本・演出家×主演を支える岡田が一堂に会し、チケットぴあのインタビューに応じた。
成井さんのお芝居に影響を受けて生まれた『ぼくのメジャースプーン』(辻村)
──辻村さんは「この先、成井さんに一生、自分の他の小説を舞台化してもらえなくても後悔しないから、この小説だけは絶対にお願いしたい」