知られざる画家としての活動も紹介 『生誕100年 朝倉摂展』練馬区立美術館にて開催中
《黒人歌手ポール・ロブソン》は、1959年にウイーンで開催された第七回世界青年学生平和友好祭の集会でピカソの絵を背景に独唱したアメリカ人歌手、ポール・ロブソンの姿を描いた作品。朝倉は、強く影響を受けていたベン・シャーンに来日の折に、この作品を見せていたという。
左:朝倉摂《部屋》1957年実践女子大学香雪記念資料館蔵右:朝倉摂《黒人歌手ポール・ロブソン》1959年東京国立近代美術館
左:朝倉摂《告発61》1961年神奈川県立近代美術館蔵右:朝倉摂《幸せの外の不幸せ》1964年大分県立美術館蔵
画家という立場で積極的に社会運動に取り組んでいった朝倉だが、次第にその活動に限界を感じるようになっていく。1960年代になると朝倉は舞台美術や挿絵の活動に重心を写していく。
蜷川幸雄『ハムレット』ほか、朝倉摂の舞台美術の世界
第3章「舞台美術の世界——イメージは発見」では、朝倉摂の代名詞といえる舞台美術の世界について取り上げる。朝倉は1970年に約半年間ニューヨークに留学。舞台美術を本格的に学び、舞台美術の世界に専心していく。
展示風景より
シェイクスピアの『ハムレット』は蜷川幸雄の初期作品の一つ。