知られざる画家としての活動も紹介 『生誕100年 朝倉摂展』練馬区立美術館にて開催中
朝倉も蜷川も舞台のなかに階段を作り、舞台上に縦の動きと空間を作り出すことを好んでいたという。
左:ハムレット舞台模型右:ハムレット舞台写真
普段はただ通るだけの展示室と展示室を結ぶ通路にも、舞台美術の写真が展示されており、楽しく歩くことができる。
美術館通路より
朝倉は、多くの絵本や小説の挿絵を担当していたことでも知られている。第4章「挿絵の仕事——余白を造形すること」では、戦後すぐから2000年代に至るまでの挿絵や絵本のしごとを取り上げる。日本画で培った画力はこの分野の作品にもいかんなく発揮されていることが伺える。
構成・堀尾青史絵・朝倉摂『ピーターと狼』1956年紙芝居 個人蔵
案・岡本良雄絵・朝倉摂『てんぐのかくれみの』1956年 福音館書店 宮城県立美術館蔵
文・松谷みよ子絵・朝倉摂『たつのこたろう』1969年 講談社 個人蔵
絵本の一部は展示室内で自由に閲覧することもできるのが嬉しい
日本画家としてキャリアスタートさせ、91歳でその生涯を閉じるまで第一線で精力的に活躍しつづけていた朝倉摂。この展覧会で彼女の多岐にわたる活動を知り、その業績を改めて振り返ろう。
取材・文:浦島茂世
【開催情報】
『生誕100年朝倉摂展』
6月26日(日)