映画に“革命”が起こる!? 『ジェミニマン』監督が語る
と振り返る。「ヘンリーとクローンのヘンリーは“父と息子”でもなければ、“自分とまったく同じ別の自分”でもありません。自分のような/自分ではないような存在と対峙する話なわけで、おのずとそこには“実存”に関する問いが浮かんできます。自分はこの世界で本当に唯一無二の存在なのか? 自分とは、自我とは一体、何なのか? この物語を描くことで様々な問いかけができますし、脚本に書かれていたキャラクターの精神的な葛藤に惹かれました」
監督が語る通り、本作ではウィル・スミスと若いウィル・スミスが対決してムダにマシンガンを撃ちあうだけの映画ではない。主人公ヘンリーと、若いクローンのヘンリーそれぞれにドラマがあり、迷いがあり、精神的な変化が訪れる。リー監督はそれを「小説や戯曲ではなく、すべてをビジュアルで見せなければならない映画として描くことに意味があるし、挑戦してみる価値があると思った」という。
そこでリー監督と製作陣は、様々な新技術を導入した。まず若いクローンのヘンリーを全編に渡ってデジタルで描き、さらに映画をハイフレームレート3Dで撮影することにした。
ここで少しだけ説明。現在、多くの映画は1秒間に24コマ(フレーム)