映画『女たち』篠原ゆき子 インタビュー「ストレスをためない生き方」
高畑さんが、自分は健康体に見えるし、強そうだから、そういう麻痺がないと、介護の重圧感が感じられないんじゃないかと、内田監督に提案してくださいました。
高畑さんはいろいろと調べて役作りをされたと思うんですが、初めて目にした時は、鳥肌が立ちました。そんな高畑さんのただならぬ演技を拝見して、私も気が引き締まりました。
―—毒母にののしられる美咲のフラストレーションが、ひしひしと伝わってきました。
今回は、共演者が高畑さんや倉科さんといった実力派の俳優陣の方々だったので、自分はとりあえずノープランで入り、みなさんのお芝居を受けることをすごく意識しました。
だから親子のシーンでは、高畑さんのすさまじいパワーにすごく助けていただきました。
撮影:源 賀津己
毒母を介護して、わかったこと
―—実際に役を通して、介護を経験してみていかがでしたか?
美咲役を演じるにあたり、いろいろな体験本やブログなどを読みましたが、優しくて愛情深い人ほど苦しんでしまう傾向があるのが本当に切なくて。恐らく、適度に力を抜ける方なら、もう少し抜け道があると思いますが、一生懸命になりすぎてしまう人ほど、介護しているうちに家族を手にかけてしまったり、心中をしてしまったりするという事例がいくつもありました。