2023年11月17日 12:00
【ライブレポート】家入レオ“私とキミ”、“私とあなた”で歌を届ける「NAKED」ツアー横浜公演
そして圧巻だったのは、「嘘つき」からの流れだ。ゆったりとした歌い出しから、一気にまくしたてるような3連符続きのメロディを完璧になぞっていく。「Winter」では、すっと吸い込むブレスをきっかけに、激情のなかにある戸惑いが立体的になっていく。それはもう、家入レオの表現力の賜物としか言いようがないのだが──あらためて思う。鳥肌が立つほど、歌がうまい。いや、今更すぎるのだけど。スピーカーやイヤホンから流れてくる完成版と差異のない声量。ロング部分をフェイクで濁すことや高音を抜くことなく、スパンスパンと気持ちよく狙っていく音程。
安定感のあるボーカル、聞き取りやすい歌詞というベーシックな歌のうまさが、楽曲に込められた想いや描かれた風景を遜色なく聴き手に届けるのだ。そんな歌を聴きながら、テンションをあげすぎたせいもあるかもしれない。感情ジェットコースターゾーンを締めくくる「Silly」には、よりハードなアレンジになっていて重さはありつつも、どこかほっとする優しさを感じた。
感情ジェットコースターゾーンを抜けたら、ぶちアガりソーン(本人談)に突入。コール&レスポンスを繰り返して両者のエンジンをふかし、レオの雄叫びから新曲の「BINKAN」