2021年9月29日 12:00
女性キャストのみで魅せる『ジュリアス・シーザー』森新太郎×吉田羊インタビュー
はたから見ると優柔不断で煮え切らない人物ですが、そのカッコ悪さこそ人間くさい。お客さんが「決心しろ、ブルータス!」と応援したくなる魅力なのかな、と思いますね。優しさゆえに自分の首を絞めて、物語が加速していく側面もありますし。
──そのブルータスを、現時点でどのように演じていこうと考えていらっしゃいますか?
吉田お客さんがこの作品に没入できるかどうか、ブルータスの人間的な魅力が要素のひとつになるだろうな、と思っています。政治闘争劇というと小難しいイメージがありますけど、シーザー殺害や事後の悲劇にいたる感情のアプローチにフォーカスしながら演じていきたいですね。
──ブルータスを取り巻く登場人物にも多様なキャラクターが勢揃いしています。森さんはどのようにキャスティングしていかれたのでしょうか?
森個性ある俳優さんばかりお選びしました。いつもキャスティングは相当こだわるんですが、今回は特に手応えがあります。
まずは、シーザー腹心の部下であるアントニー役に松井玲奈さん。アントニーってブルータスたちよりやや若くて、彼らからすると理解できない側面がある新世代の人物だと思うんですよ。このジェネレーションギャップをフレッシュに演じてくれそうな松井さんにお声がけしました。