17世紀のインドが舞台の現代戯曲『タージマハルの衛兵』を小川絵梨子が日本初演
若い方にやっていただけるのは劇場としてもありがたいので、今回お願いしました」
その翻訳を元に、成河、亀田佳明と共に読み合わせや稽古を通じてテキストを練っていった。オファーの段階ではどちらがどの役か、決まっていない状態だったという。
「実は稽古前の読み合わせの何回目かで“こちらかな”と決まっていたんです。それをおふたりに伝えようとしたら“まだ言わなくていい”と言われて(笑)。役者さんって面白いなあと思いました」
舞台上に立っているのは終始たったふたり。しかも警備のシーンではふたりともほぼ動くことなく、お互いの顔も見ずに演技をしなければならない。
「私も稽古を始めて気づいたんですが、役者さんって動くことによってセリフが体に入る面もあるんですよね。それが動けないのは不安になるし怖いことだとおっしゃっていました。
でもおふたりとも本当にすばらしい役者さんで、頼らせていただいています。演出をしているときには“今これを言うべきかな”とか“どういう言い方をすれば伝わるだろう”と悩むときもあるのですが、おふたりは遠慮なしに伝えても受け止めてくださるのが本当にありがたい」
ふたりが動かない警備のシーンと、思いがけない展開が起こるシーンとが入り混じる。