映画『犬王』、第49回アングレーム国際漫画祭にてプレミア上映 湯浅政明監督登壇のトークイベントをレポート
と、まるでライブ会場に来ているような一体感のある映像と音楽の制作過程に観客たちも納得の表情だった。
さらに観客から、監督自身が犬王と友魚のどちらに似ているか聞かれると、湯浅監督は「どちらかというと友魚ですが、犬王みたいになりたいと憧れています。」と笑顔を見せた。
翌19日(土 / 現地時間)にManga Cityにて開催されたトークイベント『マンガが動き出す時』は、イベント開催前から会場がすぐに満席になり、立ち見で参加する観客も出てくるほどの人気に。約200人の観客を前に登壇した湯浅監督は、その熱気に押されつつ、『犬王』制作のきっかけを問われると、竹内プロデューサーから小説を渡されて提案があったことがきっかけと明かしつつ「原作の小説のお話自体も面白かったのですが、古川さんが「平家物語 犬王の巻」の前に「平家物語」の現代語訳を書かれていたんです。源氏に負けて消えていった平家の話を、琵琶法師たちが伝えて現代に残っているのが「平家物語」。その、平家の話を伝えた琵琶法師や能楽師の話も歴史上消えていってしまった。これを古川さんが小説にして、我々がさらにアニメにするのが面白いと思ったんです。」とその提案を快諾したことを明かした。