阿久津仁愛の現在地「芝居はうまく見せようとするとダメ」
映像デビューから5年。まだまだ芝居は難しい
達成感に浸る一方で、反省と課題も忘れない。
「鱗蔵と言い争いになった平馬が、鱗蔵の胸ぐらを掴むシーンがあるんですね。まず人の胸ぐらを掴んだことが人生でなかったので、それだけでもちょっとぎこちないところがあったんですけど、そこで座っている鱗蔵を立ち上がらせないといけなかったんですよ。それだけの勢いをつけるのが結構難しくて。台詞の勢いに対して動きが弱いって、監督から何度も言われた記憶があります」
約1ヶ月の稽古期間を通して役をじっくりとつくり込める舞台に対し、映像は瞬発力が物を言う世界。どちらかといえばスロースターターである阿久津は戸惑うことも多いという。
「役を掴むのに時間がかかる分、クランクイン直後のシーンがどうしても手探りになってしまうのが、今の僕の課題。
下手でもいいから、最初はもっと表現を大きめにして入ったほうがいいのかなとか、自分なりのやり方を探しているところで。映像作品に出たときは、いつも出来上がりをチェックして、その都度学んでいる感じです。やっぱり見ないとわからないことってあるんですよね。でも、こうやったらいいみたいな正解はなくて。