2023年9月21日 17:00
シェイクスピアの魅力は生身の役者が発する“言葉”にあり 再びシェイクスピアに挑む岡本健一「舞台の上は一番自由な空間」
撮影:石阪大輔
シェイクスピアの作品の中でも“ダークコメディ”、“問題劇”と称される『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の2作品を同一キャストで交互上演するという新たな試みが新国立劇場にて行われる。2009年から2020年まで同劇場で上演されてきたシェイクスピアの歴史劇シリーズのチームが再結集して行われるこちらの公演。両作品で中心的な役割を担う岡本健一に話を聞いた。
『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』メインビジュアル
インタビューの数日前には、この交互上演の制作発表会見が行われたが、岡本をはじめ、多くのキャスト陣が語っていたのが、歴史劇シリーズのチームが再び結集することへの喜びだった。『ヘンリー六世』(2009年)から『リチャード二世』(2020年)まで足かけ12年にわたる同じチームでのシェイクスピアの歴史劇への参加は、岡本にとってどのような経験であり、何をもたらしたのか?
「一番大きかったのは、おそらく多くの人が抱いているような、“難解”とか“崇高”といったシェイクスピアという作家のイメージが覆されたことですね。このカンパニーの俳優が演じることで、シェイクスピアをより身近に感じることができましたし、自分で演じることで初めて腑に落ちることも多かったです。