2022年7月26日 18:00
国宝級の名品の数々が里帰り 『ボストン美術館展 芸術×力』東京都美術館で開幕
第1章「姿を見せる、力を示す」では、権力者の力を誇示するために制作された作品が展示される。《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》は、マントを羽織い、月桂樹の冠をかぶるナポレオンを描いた肖像画。その身にまとった服やポーズ、周囲に描かれた調度品など、すべてが権威を示す物だ。
《ホルス神のレリーフ》 紀元前1971-紀元前1926年ボストン美術館蔵
権威を示す手法は地域や時代によって大きく異る。ホルス神はエジプトの最も重要な神のひとりで、ハヤブサやハヤブサの頭部を持った男性の姿で表される。そして、現世に生きるエジプト王はホルスの化身とされていた。《ホルス神のレリーフ》はカイロから50キロほどはなれた場所にあるピラミッド複合体で見つかったものだ。
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵
同展のハイライトともいえる二大絵巻のひとつが《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。平安時代末期、上皇と天皇の対立から巻き起こった「平治の乱」を描いた本作は、日本に残されていれば国宝に指定されていただろうと考えられている。