くらし情報『自分の生き方をまっとうするのに許可なんていらない。ミュージカル『ジェイミー』ゲネプロレポート Part1』

2021年8月9日 13:15

自分の生き方をまっとうするのに許可なんていらない。ミュージカル『ジェイミー』ゲネプロレポート Part1

ドレスを着てプロムに出ることを決めたジェイミーに向けてプリティが歌う「スポットライト」も、静かに心を奮い立たせる力強いミディアムナンバー。田村の透明感ある歌声に、軽やかなクラップが溶け込み、まるでジェイミーへのエールのように劇場に響き渡る。

ジェイミーの母・マーガレット(安蘭けい)が歌う「我が子」も、母の愛と願いに溢れた極上のバラードだ。オーセンティックなメロディラインに、安蘭けいの力強く伸びやかなヴォーカルが映える。物語的にも、ジェイミーと母にとって大きなターニングポイントとなる大事な場面。悲しみを振り払うような安蘭の歌声に胸を締めつけられることだろう。

森崎ウィンが体現する、ジェイミーの強さと脆さ

自分の生き方をまっとうするのに許可なんていらない。ミュージカル『ジェイミー』ゲネプロレポート Part1

ジェイミー:森崎ウィン
こうした楽曲の良さもさることながら、何より観客を沸かせるのは、キャスト陣の好演だ。ジェイミー役の森崎はいつもより少し高めのトーンで、ジェイミーの愛らしさを演出。
森崎自身が内包している太陽のような明るさと月のような翳りが、ジェイミーのキャラクターにうまくマッチしている。マーガレットやプリティの前で見せるパワフルな一面と、ある出来事を境にさらけ出されるジェイミーの脆さの両方を、豊かな感情表現で印象づけてくれた。

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