Bye-Bye-Handの方程式 フルアルバム『ソフビ』でメジャーデビュー 楽曲制作、キャリア最長の全国ツアーへの思いを語ったロングインタビュー
元々はリード曲を書こうということで「swamp(沼)」ができて──これは結構あるあるなんですけど、そこで安心したんですよね。リード曲もできたし、あとはもう好き放題やりましょうって。でも何となくその余韻から、まだちょっとできそうだなって作りはじめたら、「閃光配信」のド頭から出てきて。みんなに聴かせたら、こっちの方が評判がよくてリード曲になっちゃったという。
──まさに、バンドにとってのいい名刺になる1stアルバムで、歌っていることも思春期と大人との間の今のリアルが詰まったものになっています。汐田さんが歌を書く上でいちばん感情的に動くのはどんなところですか。
汐田僕は、今のことより昔のことを書くことが多いんです。自分が昔感じていたことをなかったことにしたくないというか。
例えば、友だちといても寂しいと思うこの瞬間って何だろうとか、誰かといてもひとりだと思う瞬間もあれば、ひとりでいるのにひとりじゃないと思える瞬間もあるのは何だろうっていう。あの頃から思ってる気持ちは今も続いているし、僕の感覚では僕以外がどんどん大人になってしまった感じで。自分が子どもで居続けるのを正当化しているのがバンドという表現な気がしているんです。