2021年11月19日 12:00
大貫勇輔インタビュー ミュージカル版『北斗の拳』は「絶対に何かを感じてもらえる、人の心を動かすパワーを持っている作品」
というプライドのようなものがずっと邪魔していて。意識が変わったのは、『メリー・ポピンズ』(2018)のオーディションの時。長期のオーディションだったんですが、「君はあと歌さえ良ければバートになれる」とずーっと言われていて、最終審査を前にした時に「これを逃したらダメだ」って、自分の中で歌のスイッチが入ったんです。そんなことを経て、今年いただいた『王家の紋章』のイズミルは、歌の比重が高い役。踊りを封印して、歌だけで人を魅了しなきゃいけないという逃げ場のない時間は、本当に苦しかったですけど、ものすごくありがたかったですね。色々な経験をして、歌に対する向き合い方が少し分かってきた状態で今、この稽古場にいられているような気はしています。
――ちょうどいいタイミングだったのですね。では、製作発表では披露のなかった、ダンスやアクションの印象はいかがでしょうか。
ダンサーとしてのキャリアが始まった17歳から16年、色んなことをやってきましたけど、今回のアクションシーンは歴代1位のキツさですね(笑)。たぶん抜きどころみたいなものがあって、僕はまだそれが分からなくて力み過ぎているんだとは思うんですが……「本当にできるのかな?」