大槻そうですね。この状況で新作から始めることに関しては様々な意見があるというか、過去のベストセレクション的なものから始めるというのもひとつの考え方だとは思うんですけど、それをやることによって「お祭り」みたいになってしまうのも、ちょっと怖いなっていうのもあって……。
── そこは難しいところですよね。アクセルとブレーキを同時に踏むような形で再開したところがあるので。
大槻そうなんですよね。実際、キャパが半分……最初は半分以下からスタートしたので、そこでお客さんが溢れてしまったらどうしようというか、そこで責任を取れるのかっていう自問自答がありまして。で、そのキャパに収まるようにって考えると、積極的に「来てください」とはやっぱり言えないじゃないですか。あと、僕はやっぱり常々、街の映画館というのは、街のラーメン屋さんやパン屋さんと同じようなものだと思っているんですよね。
なので、とにかく粛々と、予定していたことをやっていきましょうと。
── なるほど。再開後のお客さんの反応はいかがでしたか?
大槻再開して最初の頃は、やっぱりお客さんの側にも、マスク着用とか飲食禁止等々モヤモヤした感じがあったと思うんですけど、2カ月経って、そういうものはなくなってきました。