くらし情報『[2020年私的演劇ベスト]収穫は栗山民也の抜群の演出、そしてコロナ禍の緊張感高まる中での上演で感じた舞台人の心意気』

[2020年私的演劇ベスト]収穫は栗山民也の抜群の演出、そしてコロナ禍の緊張感高まる中での上演で感じた舞台人の心意気

*2020年1〜12月までに観た162公演から選出。

1位。栗山民也の演出が抜群。平埜生成、朝海ひかる、大鷹明良の個性を生かし、自分探しの娯楽劇になった(10/19所見)

2位。円熟の極みだった中村吉右衛門の俊寛。孤島にひとり残された老いの孤独は底知れない。名演とはこれだ。(11/20所見)

3位。
コロナ禍で公演中止直前という緊張感の中、銅鑼を叩いて開幕した。負けてたまるかと、渡辺謙はスケールの大きい演技を披露した。舞台人の心意気だった。(3/21所見)

4位。主演の大竹しのぶが杉村春子の代表作に果敢に挑んだ勇気を買う。一筋縄ではいかない女を演じれば天下逸品。(11/4所見)

5位。鈴木杏の一人芝居。
栗山民也の演出に応え、怒り、哀しみを全身で演じた。(7/14所見)

個人賞は3月『ピサロ』の渡辺謙が主演男優賞。女優では1月『メアリ・スチュアート』のシルビア・グラブが助演女優賞。

[2020年私的演劇ベスト]収穫は栗山民也の抜群の演出、そしてコロナ禍の緊張感高まる中での上演で感じた舞台人の心意気

こまつ座『私はだれでしょう』より撮影:宮川舞子
プロフィール
大島幸久(おおしま・ゆきひさ)

東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。

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