2021年6月2日 17:00
春風亭一之輔「歌舞伎を観たことがない方にもおすすめしたい」 人気落語家がシネマ歌舞伎を語る
』は凄いキャスティングですね。8月の『大江戸りびんぐでっど』も舞台を観ていないから観たいなぁ。今年の上映ラインナップには無いですが、落語家としてはやっぱり『らくだ』が気になります。
特にシネマ歌舞伎になった、中村勘三郎さん、坂東三津五郎さんの『らくだ』は贅沢です。あとは『文七元結』のおかみさん役は落語でもとても難しい役なので、先代の中村芝翫さんが演じられているのは観てみたいですね。
――落語と歌舞伎は全く異なる芸能ですが、それぞれの得意分野はどういうところだと思われますか。
見た目の華やかさですとか、現れたときのあっと言わせるインパクトは、歌舞伎にはかなわないなと思います。6月に公開する『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』にご出演の勘三郎さんや坂東玉三郎さんは、現れただけでお客さんがウキウキしたのが、シネマ歌舞伎の画面越しにもわかりました。
反対に、怪談などの描写は、見えない、想像するしかない落語の方が怖いと思います。
それから、歌舞伎は大勢でつくりあげるものですが、落語はひとりです。いろんな人をひとりで演じられるのは面白いですが、協力し合って進めていくのも楽しそうだなと思います。