坂田藤十郎を偲ぶ「夕霧名残の正月」や高麗屋三代による『菅原伝授手習鑑<車引>」も、歌舞伎座『壽初春大歌舞伎』が3部制で開幕
松王丸の横見得、石投げの見得、梅王丸の元禄見得、また松王丸の二本隈、梅王丸の筋隈、桜丸のむきみ隈と、歌舞伎の役柄を特徴づける表現を楽しめる。
松本白鸚の松王丸、松本幸四郎の梅王丸、市川染五郎の桜丸と、高麗屋三代による一幕。
もう一幕は『らくだ』。落語の人情噺を基にしており、町人たちの暮らしをユーモラスに描く。死んでしまった仲間のために、半次・久六のコンビがなんとかしてお金を工面しようとする。そこで彼の死体を担い踊らせようとするが……。踊る死体はもちろん俳優が演じる。爆笑間違いなしの一本だ。
半次に中村芝翫、家主佐兵衛に市川左團次、紙屑買久六に片岡愛之助、家主女房に坂東彌十郎、ほか。
文:五十川晶子
歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』
2021年1月2日(土・祝)~2021年1月27日(水)
会場:東京・歌舞伎座