最高の“バディ” 屋良朝幸&中川晃教率いるキャストが躍動! パワフルにハッピーエンドを目指すミュージカル『SONG WRITERS』
武田真治
実咲凜音
一方、エディが書き始めた物語の世界では、マフィアのボス・カルロ(コング桑田)が内通者の刑事・ジミー(相葉裕樹)のおかげでニューヨーク市警の手から逃れ、大きな取引をしようとしているところ。だがカルロの情婦であるクラブ歌手パティ(青野紗穂)は、ジミーの元恋人で……。
左から)蒼木陣、相葉裕樹、コング桑田、東島京
左から)青野紗穂、相葉裕樹
トリッキーな展開の中で、愛らしいキャラクターたちが右往左往しながらハッピーエンドを目指していく、パワフルな物語だ。コミカルなセリフの応酬や、ミュージカルファンのツボを突く“ブロードウェイ・オマージュ”にニヤリとしているうちに森雪之丞の仕掛けに嵌り、物語はとんでもない方向へ……。岸谷五朗らしいスピーディで躍動感ある演出も冴え、とにかく飽きさせない展開がいい。そしてこの世界の中、役者たちが本当に生き生きと躍動する。
すべてのキャラクターに俳優本人の魅力が満ち満ちていて、隅から隅まで楽しい。特に屋良と中川は台詞のやりとりのテンポ感のしっくり具合、歌声の溶け合い具合がまさに“バディ”。もはやエディなのか屋良なのか、ピーターなのか中川なのか、演技なのか素なのかわからないほど自然体で相棒になっている。