稲垣吾郎、剛力彩芽らが贈る『No.9-不滅の旋律-』開幕
2015年に稲垣吾郎主演で初演され、観客を感動の渦に巻き込んだ『No.9-不滅の旋律-』が、11月11日(日)、ついに再演の幕を開ける。「運命」(交響曲第五番)や、「田園」(交響曲第六番)などで知られるベートーヴェンだが、タイトルが示す“No.9”とは、彼の9番目にして最後の交響曲、つまり「交響曲第九番ニ単調作品125」のこと。なかでも第4楽章の主題は『歓喜の歌』と呼ばれて世界中で親しまれ、日本でも年末に歌われる合唱曲“第九”としておなじみだ。
そんな“楽聖”ベートーヴェンだけに、彼が難聴で苦しんだことを知っている人も多いだろう。本作の物語も1800年、難聴が進み始めた30歳の頃の描写から始まる。作曲家として有名になっても、身分の差によって愛する人とは結婚できず、孤独を深めてゆくベートーヴェン。だがピアノ工房で出会ったマリアや、自身の弟たち、周囲の人々との交流によって、彼は改めて音楽の道へと没頭する。幼少期の父のスパルタ教育によって生まれた幻影に悩まされ、情け容赦なく進む難聴にあらがいながら、ベートーヴェンは頭の中に鳴り響く音楽を次々に楽譜に書きとめる。
54歳にして「交響曲第九番」