「十二月大歌舞伎」で二代目澤村精四郎襲名披露を控える澤村國矢 声を“特大”にして「きよしろう」の名をアピール
お家のものでできるものは限られますし、いまさらですが女形を、やってみることもあるかもしれません(笑)。皆さんの力を借りて、そういうことができたらいいですね」
いっぽう、國矢の活躍、昇進は、家や血筋を重視する歌舞伎界の変化を象徴する出来事ともいえそうだ。
「最近は我々のような名題でもいい役をくださる機会が増えていますので、それが一過性にならなければと思います。皆さんのモチベーションを上げるためにも、こういうふうに一般家庭から幹部になる道があるのだと、僕は頑張って見せていかなければならないし、希望になれたかなとは思っています」
自身が名題となり、一人前の歌舞伎俳優として認められるようになったときは、とても喜んでくれたという両親。
「もう他界しておりまして──今回の幹部昇進は、いの一番に報告しました。喜んでいると、思います」と、涙ぐむ。
精四郎と書いて、“きよしろう”。取材会の和やかな空気の中、同じ響きの忌野清志郎は意識するか、という質問も飛び出した。
「僕は意識してなかったんですけれども、兄貴──獅童さんはロックなんで(笑)、『いい名前だよ!だってロックの神様だぜ』とおっしゃってくださいまして──そこは意識して、ロックの精神を引き継がなければいけないなと思っております」