デイジー・リドリー主演作『時々、私は考える』監督インタビュー。「空想は主人公にとって必要なこと」
いつものように“この場面ではどうすればいいんだろう?”とか“こんなことを言わないといけないのかな?”なんてことを考える必要はないんです。
そこでは彼女は自然と誰が犯人なのか推理して語ることができます。そこまでルールというガイドがあったおかげで、彼女はあの瞬間に“ありのままの自分”で語ることができたわけです」
フランは現実から逃げていたい女性ではない。彼女は現実でも空想の世界と同じように語りたいし、生き生きと暮らしたいのだ。ただ、そのやり方がわからないので、困っている。
そして、そんな状況を打開するのは“恋愛”でも“新たな出会い”でもない。もちろん、日々、色々な出会いと別れ、葛藤がある。でもそれは“きっかけ”でしかない。
フランは誘われて参加した初対面だらけのパーティでも心を開けた。誰かとの出会いや恋愛だけが彼女に変化をもたらすわけではない。
ランバート監督は本作を「フランの内の世界と外の世界が調和するまでの物語」だという。「彼女は自分の内なる世界と現実を統合するためにやれることがあるのに、難しいと思った瞬間に空想の世界にひいてしまう人間として登場します。しかし、物語を通じて彼女は、自分の心の中で感じていることを、外の世界で安全に感じたり表現できるようになるわけです」