2022年3月28日 12:00
福士誠治×林遣都 名作戯曲『セールスマンの死』で兄弟を演じるふたりが、今に問いかけるもの
世界中で長く上演されてきたアーサー・ミラーの代表作『セールスマンの死』。過酷な競争社会が生んだ弱者であるセールスマンのウィリー・ローマンとその家族の物語である。ウィリーの息子兄弟を演じるのは、福士誠治(長男:ビフ役)と林遣都(次男:ハッピー役)。この名作戯曲と演じる役から感じることを、自身に重ねながら話してくれた。生きづらい困難が様々にある今だからこそ、誰にとってもこの家族の物語は胸に迫ってくる。
熱量高く、「描かれていない部分」を掘り下げる日々
──稽古が始まっているそうですが(取材は3月上旬)、どんな感触ですか。福士ペースがめちゃくちゃ速いです。始まって3日目か4日目くらいで、もう一幕をさらいました。林はい、既に半分通しました。福士だから、ここ何日間はセリフが追いつかなくて頭がいっぱいな感じですけど、とても集中できる稽古だなと思っています。林ペースは速いですが、毎日8時間くらいみっちりとそして丁寧な稽古で。ショーン・ホームズさんの演出に熱を感じます。福士そう。
それぞれの関係や起きる出来事のことを考えたり、なぜこのセリフを言うのかといったことを細かくセッションしていて。感情を平面から起伏のあるものにしていくヒントをもらっている感じがします。