2022年3月28日 12:00
福士誠治×林遣都 名作戯曲『セールスマンの死』で兄弟を演じるふたりが、今に問いかけるもの
林ハッピーとしては、誠治さんがおっしゃるように、ビフを腹立たせなきゃいけないなと思っています。ハッピーは、どこか上っ面で生きているようなところがあるんですよね。ショーンさんの話を聞いていても、思っていた以上に本当にダメなヤツなんだなと思って(笑)。だから、人として欠けている部分を、もっともっと掘り下げていかなきゃいけないなと思います。
あと、今の家族の状況を何とかしたいと思ってはいるんですけど、その思いがどこから来るのかっていうのもこれから考えなきゃいけないところで。思いがあっても、自分に負担がかからないように上手く立ち回っているところもあるので。家族と向き合っているようで向き合っていないんだなというところを、これから考えて作っていかなければと思っています。福士やっぱり次男っぽいよね。
僕も次男だからわかるけど、長男がいてくれるから俺は自由でいいでしょ。というところがある。林はい。僕も兄がいるのでわかります。福士でも、ハッピー的にはちゃんとしているつもりなんだよね。林それなりに(笑)。たぶん、子どもの頃はすごくカッコいい存在だったビフが上手くいかなくなったこととかも俯瞰して見ていて、父が堕ちていく姿も見ながら、自分自身も社会の厳しさを知って、ちょっと冷めた思いみたいなものを抱えているんだと思います。