2021年3月24日 19:00
坂本真綾が巡る25周年の軌跡、思いやりで満ちた『約束はいらない』横浜アリーナ公演2日間レポート
ライブで全てを網羅することはできなくてもみんなが好きな曲がひとつでも入っていたら嬉しいです。限られた時間の中で1曲でも多く聴いてもらいたくて、この日のためにメドレーを作ってきました」と始まった25周年メドレーでは自身のキャリアの中でも節目の一歩を踏み出した「ループ」や、数々のライブを彩ってきた「Private Sky」や「マジックナンバー」、「ヘミソフィア」や「トライアングラー」などの人気曲まで聴かせた。オーディエンスは、時に懐かしくなって心がキュンとすることもあったのではないだろうか。坂本真綾の25周年は、彼女を応援してきたみんなの25周年でもある。ファンとしての歴史がいつ始まったとしても、大好きな曲と思い出を共有しながら、みんなが2日間ここに集まったことが意義深い。メドレー最後の「光あれ」では彼女の、歌手としての風格すら感じさせる神々しさだった。〈もしも今この声が誰かに届いてるなら/手を振ってくれないか〉のフレーズで観客が手にしたLEDバンドが白く光り、みんなで彼女に手を振った。音と光のコール&レスポンスはひときわ美しい名場面だった。
声を出せなくても、拍手をして、手を振って、拳を振り上げて、みんなでステージに想いを伝えた。