2024年1月16日 19:00
SANABAGUN.、初の日比谷野音で10周年ツアーを閉幕 彼らの軌跡を辿る【ライブレポート】
あれは、2015年2月22日のことだった。筆者が今はなき下北沢GARAGEというライブハウスで企画したイベントにサナバに出演してもらった。ちなみに共演は長岡亮介(ペトロールズ)とYogee New Waves、DJはオカモトレイジ(OKAMOTO’S)とハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、ライターの高木“JET”晋一郎が務めてくれた。今見ても最高のメンツだったと、自画自賛する。筆者がイベントにサナバを呼んだのは、とにかくヤバいバンドがいるという噂を聞きつけ、その前年の11月に新代田FEVERで初めて8人のならず者のライブを観て、大きな衝撃を受けたのがきっかけだった。2MCに6人の楽器隊。まだ20代前半の若者たちが真っ黒なスーツに身を包み、オーセンティックなジャズマナーを踏襲しながら、ヒップホップの要素を大胆、というよりも暴力的な態度で昇華し、そこにブルースやファンクの匂いも濃厚にまぶしてみせる。思わず身構えてしまう迫力にブラックユーモアもコーディングする。
笑っていいのか。もし笑ったらメンバーがステージを降りてフロアにやってきて殴られるんじゃないかとさえ想起させる、緊張と緩和のバランス。