くらし情報『「才能以上の“何か”が北斎にあった」柳楽優弥と田中泯が語る映画『HOKUSAI』』

2021年6月9日 07:00

「才能以上の“何か”が北斎にあった」柳楽優弥と田中泯が語る映画『HOKUSAI』

好きなことにひたむきに向き合い、決して満足せずに絵を描き続けたからこそスター絵師へと上り詰めることができたのかなと思うんです。創作意欲は、表現者や役者だけのものではなく、誰しもに存在する“光”みたいなものだと思うので、そういう大事なものまでを時代に消される必要はないんだということを感じました。それは大切に守らなければならないと思いました。

田中北斎は、それまでの絵を描く対象を決定的に変えた人だと思いたいですね、少なくともそう空想することで別の次元で思考するという自分なりの徳を得たい。それはどこからやってきたのか?おそらく若い頃の北斎の中で綿々と悶々と考え、自分の中で育ててきたものなんだと思います。人の共感を得られるかわからない、やれ波だの人の身体だってもの、それも無名の身体をひたすら描く。そこに僕はものすごい前衛を感じますね。

いまだって流行りのものに人は群がる、そこからボンっと抜け出して全然視点の違うことをやるって大変なことだと思います。
しかもそれを狙ってのことでもない。ましてや江戸の(絵師が)数少ない中で、それぞれが有名で名を成している中で彼はグーっと方向を変えたわけですよね? それは才能以上の“何か”が北斎にあったに違いないって僕は思います。

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