2024年2月1日 12:05
ちゃんみな、2年ぶり全国ツアー『AREA OF DIAMOND 2』オフィシャルレポート「答え合わせはアリーナで」
選曲はサン=サーンスの「白鳥」。まるでピアノのコンクールのような始まり。クラシックで音楽の道に入ったちゃんみなの原点回帰と言える冒頭かもしれないし、「白鳥」はそもそもサン=サーンスがプライベートな夜会のために作曲した組曲『動物の謝肉祭』の中の1曲であることから、今日のライブに対して「ごく近しい人たちと過ごす夜会」という意味づけをしていたのかもしれない。
だが、ちゃんみなの弾く旋律は不思議に不安定で、彼女は途中で演奏をやめてしまう。まさかの冒頭からミス?不穏な空気がフロアに漂い始める。ちゃんみなはさっきよりも力強い旋律で演奏を再開させるが、すぐにまたやめてしまい、一呼吸置いて「In The Flames」の弾き語りが始まる。その旋律は「白鳥」よりもはるかに繊細で情感に満ちているが、あまりにも感情が込められた鬼気迫る弾き語りに、オーディエンスはうまく反応できないでいる。
次第に緊張感がフロアを侵食し始め、単独ライブの冒頭とは思えないほどの異様な空気に会場が包まれる。
弾き語りの後の無音と、不穏なピアノで弾かれる「MY NAME」のイントロがさらにその緊張感を高め、そうした異様な空気が会場に充満しきったところで、バンドの重厚な演奏がいきなり入ってくる。