HYDE、抗うことを選んだソロ活動20周年ツアーの幕開け 『ANTI WIRE』初日公演レポート
と脱力気味にその気持ちに寄り添って微笑む、その気張らないHYDEらしい姿が心地よかった。HYDEは、ソロデビュー以降、アメリカ進出のためにサウンド面には人一倍力を入れているのに、だ。しかし、「いつか海の外で」と期待せずにはいられないライヴだったから、ここにレポートを残したい。
もはや日本の音楽シーンに定着した“あの彼”ではない
HYDEソロとしての精力的な取り組みは、20年前からはじまっていた。
音楽面のアプローチは言うまでもなく、それでいて、アートのような心を奪われる音楽の数々に封じ込められた世界を体感できるライヴは、ポップミュージックを意識しながらも、以前からもっと広い音楽の裾野を見せていた。HYDEはもはや日本で定着した日本の音楽シーンにいる“あの彼”ではない一面がある。
アルバム『ANTI』から9ヶ月ぶり、2020年のソロ活動幕開けとなった3月にリリースされた第一弾シングルでは、Sho(MY FIRST STORY)と制作に取り組んだ。さらにライヴのバンドメンバーでもお馴染み、HYDEのソロを支えてきたパートナーのような存在のAli(B./ MONORAL)に加え、11月リリースの第二弾シングル「LET IT OUT」