HYDE、抗うことを選んだソロ活動20周年ツアーの幕開け 『ANTI WIRE』初日公演レポート
その痛みや沈黙に共鳴しながら、囁くように、そして魂を揺さぶる熱さを体温に宿すように歌い上げた。かつてはライヴで大きなシンガロングを初っ端から起こしたこの曲が懐かしい。
ミレニアム・イヤーで世界中が華やかなムードに包まれていた時代。2001年の米同時多発テロから19年。その間、避けられない震災、忘れることが出来ない痛みの数々は “穏やかな日々”にふと訪れた。痛みは、誰に降りかかるのか、本当に突然すぎてわからない。しかし、私たちは音楽で一つになれる。
「みんながいなかったら……みんなが僕たちの点滴」
ギアを踏み込んではやる気持ちを抑えられないライヴ。
アコースティックライヴでなければどうだったのだろう。今年の4月、新たにオープンしたぴあアリーナMMにワクワクした様子を見せ「想像したら凄くない?」「楽しみは取っておいた方が良いって考え方もある」と語り、ソロ20年をふり返った。「20年前はどうでしたか?」という問いに、「もう大人でしたか?」「生まれてない人も多少?」と笑いを誘う。
重低音バキバキの強靭なロックサウンドが魅惑的な新曲「LET IT OUT」は、ツーバスが鳴り響き、ピアノのアタック音も力強い。