【オフィシャルレポート】明日を生きるエネルギーの発電所『Grasshopper vol.22』からあげ弁当×ジ・エンプティ×Atomic Skipperが切磋琢磨
「みんながこれから若者じゃなくなった時、譲れないものが増えて、ライブハウスを離れることがあるかもしれない。そういう時が来てもいいと思う。それって超素敵なものだと思うからさ。でも、自分がこんなに好きなものを貫いていたんだ、っていう夜があれば、何十年先になったって輝き続けるんだろうなって、思うわけよ。私はそんな夜を、ずっと探してます」
その気持ちを表明するかのように歌われた「ウォールフラワー」は、じっと聴き入る人が目立った。そして「メイビー」を大合唱して本編は終了。中野以外のメンバーはマイクを通して話こそしないものの、音で10年目の本気が届いた。憧れないはずがない。
やまない拍手に応え、アンコールで披露した「雑記」では松本和希(Ds / Cho)が上裸でプチダイブをしてメンバーに笑われる、お茶目な一面も見えた。
この日初めてみたバンドに心掴まれた人が多かったのは、終演後の物販が長蛇の列だったことに表れていた。それは音楽に勇気をもらった主催の愛がバンドに伝わり、バンドの心が動き、それが観客に伝わったからだ。帰りがけ、フロアでは「佐藤さん」が来場者に「ありがとうございました」と声をかけながら、最後の一人まで見送っていた。