2022年2月10日 17:00
井上芳雄×鈴木浩介「事件の先にあるものを探す」『奇蹟 miracle one-way ticket』バディ対談
作品を立ち上げる力のひとつになれるよう、頑張るしかないです。
井上芳雄はヒロインを輝かせる人
――2年前の『桜の園』の稽古場での経験から、お互いの役者としての印象を教えてください。
鈴木『桜の園』はKERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)さんの演出で、やっぱり厳しい現場だったので、皆が一喜一憂していたんですよ。でも芳雄君はその一喜一憂をあまり見せなかった気がします。また舞台上で、相手がどう見えるかをすごく考えている、相手を良く見せる方法を知っている役者さんだなと。初舞台になるはずだった杉咲花ちゃんとも、百戦錬磨の大竹しのぶさんとも向き合う、すごく難しい役でね。それを一喜一憂せず、丁寧に積み重ねていく姿を目の当たりにして、井上芳雄ってすごいな!と。
井上いやいや、やっぱり「うまくいかない〜」と思うことはありましたけどね。
『桜の園』はメンバーがすごすぎたじゃないですか。それこそ百戦錬磨の先輩方が、「全然ダメだっ」とか「楽しくなってきました!」とか、演劇始めたばかりの青年みたいなピュアさでやっていて。
鈴木ハハハ!そうだったね〜。
井上自分は逆にわからないことが多かったので、ただただ、やれることをやっていただけなんです。