『M.バタフライ』ルネ・ガリマールの頭の中を探る日々-主演・内野聖陽×演出・日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)対談
精神的に非常に繊細であるけれども、そこから表出する言動がとてもチャーミングで、すごく人間臭かったり。それはやっぱり台本の面白さと、内野さんが演じることで立体化した時のパワーや魅力だったり。それは今でも十分に感じています。
内野いやいや〜僕はもう、昨日、稽古の動画を見てヘコんでいますから。この取材に来るのも自分をすごく奮い立たせて来てるくらい、ヘコんでるから!(一同笑)
日澤そんなことないのに〜。
内野ホントに。まだ上辺の上辺だけだなって実感して。もうね、雲の上の頂が隠れて見えない、真っ暗で巨大な山を目の前にしているような感じですよ。
これどうやって登るんじゃ!みたいな(笑)。ようやく山肌が少しずつ見えて来て、あ〜こういう構造の山なのね、でも頂上は雲の上で見えない〜さっぱりゴールがわからん〜というところです、今は。
「圭人君が人の2倍頑張るんなら内野だって人の3倍ぐらいは頑張れよっ!」
――内野さんがこんなにも苦悩されている巨大な山に、相手役に大抜擢されてともに挑む新鋭、岡本圭人さんの心境はいかに!? 稽古場での様子はいかがですか?
日澤ソン・リリンはすごく挑戦的な役ですね。圭人さんは実際、悩んでいる部分も多々ありますが、真正面から内野さんにぶつかっていっています。