『M.バタフライ』ルネ・ガリマールの頭の中を探る日々-主演・内野聖陽×演出・日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)対談
僕ら自身が豊かなイメージを持って立たないとダメですよね。
日澤僕もこの『M.バタフライ』を演出するにあたって、ルネ・ガリマールといかに向き合うか、どう彼の頭の中に入っていくかをずっと考えていて。とても繊細だけれど、それだけじゃない、ある種の破壊衝動……と言ったら言い過ぎかもしれないけど、自分の何かに疑いを持っている人なんですね。本当の自分に手が届きそうで届かない、何かが違う、それは何だ!?と、つねにガリマールは追いかけているような……。
内野そう!
日澤内野さんが本当に粘り強く稽古をして、一歩一歩、ガリマールという人間を作り上げていっていますが、もしかしたらその芯を見つけた頃にはお芝居が終わる、みたいな……。
内野ええええ〜!(一同笑)
日澤そういう作品のような気がするんですよ。そこがまた面白いところで。
内野まあ、人間のいろんな面を気づかせてくれる役だなと。
面白いけど、とにかく大変です。構造自体はすごく発見があるので、それに気づくと、おお〜なるほどね! と溜飲が下がる部分もあるんですけど……。
日澤僕が今言ったことは難しく思われるかもしれないけど、ガリマールって人はとてもチャーミングですよ。