『M.バタフライ』ルネ・ガリマールの頭の中を探る日々-主演・内野聖陽×演出・日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)対談
と表すだけで止めない作品です。さらにその先を考えさせる力を持ったホンなので、僕は、心配はしていませんね。
「本当の自分が見えない」ルネ・ガリマールといかに向き合うか
――主人公のフランス人外交官、ルネ・ガリマールという人物を、おふたりがどう捉えて表出しようとしているのか伺いたいです。
内野基本、キャラクターってそんなに作品の中で変化していかないと思うんですけど、このルネ・ガリマールは本当に柔らかく変化していくんですよ。シーンによって変化していく……、もしくは変化させられていくキャラクターなので、そこが今回やっていて一番難しいところなんですよね。ソン・リリンとの出会いによって、どんどん輪郭が変化していくんです。その不定形なキャラクターにいかに説得力を持たせて、お客さんに受け入れてもらい、一緒に旅をしてもらうか……。本当にセンシティブに、大事に表出しなくちゃいけないなと。
それにはものすごく集中しないといけないので、稽古が終わるとドッと疲れて、もう何もしたくなくなるんです。ハッハッハ!
日澤稽古着のワイシャツを何枚も替えますもんね。
内野汗がすごいからね。今回、具体的なセットがあるわけではなく非常に無機質なステージなので、俳優たちの演技で、それぞれの関係性や背景などを観客に想像させていかなくちゃいけないんです。