くらし情報『玉三郎が語る泉鏡花作品の美しさ 「坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品」上映に向けて当時の思い出も』

2023年10月4日 12:00

玉三郎が語る泉鏡花作品の美しさ 「坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品」上映に向けて当時の思い出も

、とのことで「女形の成駒屋さん(六代目・中村歌右衛門)ばかり見ていて、申し訳ないんだけど父のほうは全然覚えていない」と苦笑交じりに明かすが、改めて、その魅力について問うと「あまりひと言では言いたくないんだけど、幻想的なところ、現世でないものが出てくるところ。めくるめく非現実な空間が渦巻いている。あまり“悪”のほうにいかないけど、全くの“善”とも言えない、人間の汚濁を嫌っている人たちが、美文でつづられているのが魅力」と語る。

玉三郎が語る泉鏡花作品の美しさ 「坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品」上映に向けて当時の思い出も

『高野聖』より(C)松竹株式会社
決して大団円で終わりを迎えるという単純な物語とは言えないため「明治・大正の頃は、わかってもらえなかったと思う。花柳(章太郎/昭和の新派の名優で女形として鏡花作品に数多く出演)先生が現われて、やっと具現化してくれる人ができたし、花柳先生の初演の頃も理解されなかったと思う。不思議な作家です。『好き』というよりも、時を超えている日本の戯曲という感じがします。どの時代にも上演できる日本の“魂”を描いているけど、難解でポピュラーになりにくいので、役者や演出で見やすくしてあげないといけない」とも。


玉三郎が語る泉鏡花作品の美しさ 「坂東玉三郎 泉鏡花抄4作品」上映に向けて当時の思い出も


1973年の『滝の白糸』に始まり、今回上演される4作品はもちろん、『稽古扇』、『通夜物語』、映画『夜叉ヶ池』(1979/篠田正浩監督)

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