又吉直樹とモトーラ世理奈が醸し出す、椅子をめぐる「ありきたりじゃない世界」【WOWOWオリジナルドラマ 椅子】
なので、今回は実験とまではいきませんが「こういう物語だったら、最終的にはどうなるんだろう?」と、自分自身も興味が持てるような話を書こうと思いました。
──「意味が分からないようなもの」を観る側に提示するのは、なかなかハードルが高そうですが。
又吉意味が分からないものって、みんな避けがちですよね。
共感できないと笑えなかったり、面白いと思えない人の方が多いのかなと思うんですが、そういうものを作るのではなく、「なんかよく分からんし、意味が分からんけどよかったな」と思えるものになればいいなって。そういう物語を目指しました。
──モトーラさんはその“意味の分からなさ”を含めて、『海へ』と『オモイデ』にどんな印象を持ちましたか?
モトーラ最初に『海へ』の台本を読んだときに、「肘にラムネを置いて、それを食べる」という描写を見て、「なんで肘なんだろう?肘も食べるのかなあ?」って(笑)、ずっと頭に残りました。『オモイデ』は『海へ』よりもリアルというか、イメージしやすい感じがあって……男女の等身大の恋愛を描いたお話ですが、私はこれまでそういった役を演じたことがなかったので「どうしようかな?」