お坊さんクリエイターが作る、かわいいハンドメイド人形の世界
そうして子どもたちが家に持ち帰った土ほとけは、おばあちゃんが御守袋に入れて大切に持ち歩いていたりと徐々に広まっていったのです。
〔倉敷坊さん玩具工房〕がつくるポップでかわいい縁起物
その昔、神社やお寺では縁起物を手作りしていて、授与品として参拝者にとても人気がありました。縁起物とは、厄を除けて福を招くもののこと。今ではそうした手作りの縁起物を扱う社寺の数がだんだんと減ってきてしまいましたが、天野さんは縁起物の制作を〔倉敷坊さん玩具工房〕の名前でスタートしました。
一躍脚光を浴びたのは東日本大震災のときのこと。ある日、天野さんの元に余震でノイローゼになってしまった人から相談がきました。そこで仏画を送り、毎日般若心経をあげることを勧めたところ、以前のように余震に心を悩ますことがなくなったといいます。
「地震の揺れは僕にはどうにもしてあげられないけど、心の揺れを止めることならできるかもしれない」と考え、ナマズの尾をつかんで組みしだいた地震除けの仏様を作ったところ、ニュースに取り上げられるようになり、多くの人が買い求めました。
「日々仏様に手を合わせることで心のもちかたを変えてもらいたい。そのための心の御守なんです」