お坊さんクリエイターが作る、かわいいハンドメイド人形の世界
と天野さんは語ります。
工房で作られる人形はお坊さんや雛人形、達磨、妖怪などさまざま。土をこねて型取り、一体一体を手作業で彩色しています。仏様やお坊さんの人形、というとなんだか部屋に飾るには敷居が高いイメージですが、天野さんの作る作品はこんなにポップでユニークなものばかり。
お盆の精霊馬に乗った《精霊衆》も人気のシリーズ。このほか妖怪モノは、谷中の雑貨店では入荷してもすぐに売り切れてしまうほどの人気だとか。
《旅する坊さん》という名前のシリーズでは、飄々としたお顔のお坊さんのお人形がカラフルな袈裟をまとい、動物にまたがったりと見ているだけでにっこり笑顔になってしまいそうなものがいっぱいです。「身近な祈りの形として、気軽にインテリアで楽しんでもらえたら」とのこと。
クリスマスやひな祭りなど、四季の祭礼に合わせた人形も「お坊さんが手作りしたものだから有り難い」と買っていく人が多いとか。「持っていると心が落ち着く」という声も少なくありません。
注文を受けた人形は、箱にも気持ちを込めて手書きで仏様のイラストを添えて送り出しているのが印象的でした。
ストレスでイライラしがちな人や、思い悩むことがある人はインテリアやデスクのデコレーションとしてかわいい土ほとけを置いて、眺めてニッコリしてみてはいかが?
※天野こうゆうの作品は、お仏壇のはせがわ銀座本店ギャラリーで購入できます
●ライター大浦春堂
社寺ライター、編集者。