庶民いじめ?「ビール類の酒税」が5年かけて改正に…消費者にはどんな影響が?
政府・与党が、現在麦芽比率などで異なっている「ビール類の酒税」について、平成32年度から5年程度をかけて一本化する調整に入ったことが、11月19日に報道されました。3段階に分けて、350ミリリットル缶当たり約55円に統一していく方針で、平成29年度の税制改正大綱に盛り込むことを目指しています。
今まで税率が安かった「発泡酒」や「第3のビール」が値上がりするであろうことから、“庶民いじめ”との声も出ているこの改正案。実際問題、ビール類の税率を一本化することによって、一般消費者にはどのような影響がでるのでしょうか。解説していきます。
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■「ビール」「発泡酒」「第3のビール」の区分
まず、現在の「ビール類の酒税」について整理してみます。酒類のなかでも、ビール、発泡酒、第3のビールは製法に応じて、それぞれ酒税法で細かい条件が定められており、主に麦芽や原料等を基準として、税率が区分されています。
ビール: 麦芽比率67%以上
発泡酒: 麦芽比率25%未満
第3のビール:上記以外のもの。
麦芽比率50%未満で、スピリッツ入り、豆やとうもろこしを原料に使用
■税率統一は世界市場に通用するビール作りの促進が目的
現在は、製法に応じて、発泡酒、第3のビールの税率が安くなっているため、市販の価格も、ビールよりだいぶ安くなっています。